ちょうど1年前くらいにわーっと盛り上がったFOV 150°のARグラスKuraですが、その後あまり情報の更新がないようなので、少し調査してみました。
Kuraとは ?
Kuraの仕様についてはこちらの記事もよいですが、こちらの動画が大変わかりやすいです。
1年前の情報として、「2021年2月現在は開発者向けキットを手作業で作成し、1~2か月以内にパートナー企業らへ送付という段階。また今後、より詳細な情報を公開するライブ配信も行うとしています。」とのことでしたが、実際Dev kitはリリースされているのかが気になるところです。
CES 2022で、
KURAはINNOVATION AWARDを受賞していますので、依然として手作り試作品かも知れませんが、動作しているものはあるのだろうと思われます。ここでのインタビュー動画がありますので、見てみましょう。
周囲の音が入ってかなり聞き取りにくいところもありますが、そんなときはCCをONにしてみると、もう少しわかりやすくなったりします。ただし翻訳は正確ではないので、そこは加味する必要がありますが。
最初の方で、Dev kit(と言っているように聞こえる)のシップがQ1、商用品のシップが晩夏と言ってますね。ということは、Dev kitは少なくとも1月初旬の段階ではまだシップされていないということなのでしょうか ?
一方で、
Kuraのホームページにはあまり新しい情報はありません。Forumsのページもありますが、活気はありません。Productsのページには、価格情報と、Kura Gallium (Reservation with Deposit) および Kura Alpha Order Request へのリンクがありますので、絶賛開発中ということなのでしょうか。
ただここで目を引くのが SDKのページです。まだ中味はないようなのですが、準備は進んでいるようです。実際 KuraのTwitter や Facebook には、先月SPIE Photonics WestでKelly Pengが発表した内容が掲載されていますが、SDK initial version launched と書かれていますので、粛々と進んではいるようです。
しかしながらどれもあまり情報量は多くなく、最近はウェハーやシリコン系の話しに偏っているようなので、正直大丈夫なんかいな、と心配にはなりますが…
ところで、
外観(特にピンホールのところ)が韓国のスタートアップ LatinARが開発したPinMR と非常に似ていることから、ベースは LatinAR の技術と書いていた記事が以前はあったように記憶しています。なので、CEO&CTO の Kelly Peng は韓国系アメリカ人なのかなと勝手に想像していたのですが、CESの動画を見ると、中国生まれで高校のときに渡米と言ってましたね。Forbes によると、UC Berkley 中退のようです。(CESの動画では、UC Berkleyを卒業してStanfordにもいたようだね、という質問に対して、Stanford時代に出した論文 publication もある、みたいな返答に聞こえたのでちょっと調べてみると、StanfordではNano-fabrication engineerという立場のようです。英語の正確な聞き取りは難しいですねー。)
この動画を見ると、ピンホール部分が確かに似ているなーと思います。そしてこのレベルのデモができていて、技術的な裏付けもしっかりしていて、LatinARには安心感がありますね。
光学系エキスパートとして有名なあるしおうねさんのTwitter にも、LatinARとは違うようだが気になる技術だという記述があります。個人的にも本当にPoCレベルの検証ができているのだろうかと少し心配にもなるのですが、大学の講義でも「KuraっていうスゴイARグラスが出てくるかも知れない」と言ってしまった手前もあり、FOV150°のARの世界を是非とも体験してみたいと思っています。