2022年度後半はPico4, Meta Quest Pro, PSVR2等の発売があり、Metaverseブームもあって目が離せない状況が続いていましたが、一方で景気の後退や市場の冷え込みを背景に、IDC (International Data Corporation) の発表によると、2022年から2023年Q1のAR/VRヘッドセットの出荷台数は前年同期比で-50%を下回る状況が続いていました。
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2022年後半はPICO 4の大健闘が見られますが、市場の冷え込みとタイミングが合ってしまったのはちょっと不運もあったかも知れませんね。その後は売り上げを伸ばせずPICO 5開発中止の発表もありました。
一方2023年は通期でソニーのPS VR2の健闘が見られますが、後半にMeta Quest 3が満を持して発売され、Q4はMetaがシェアを伸ばします。PS VR2にとっても最初のHoliday Seasonだったわけですが、Metaに一本取られた形になりました。現在PS VR2は生産を停止しているというニュースも流れています。
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実際この記事にもある通り、Q3Q4の市場は活況を戻しつつあり、実際国内市場のHoliday Seasonは大変盛況だったことがわかります。
そして2024年Apple Vision Proが登場し、市場はVRからMRへと切り替わっていく様相を色濃くしていますね。Vive XR Eliteの登場以来Depth SensorとRGB Cameraを搭載したVR機器が増えており、Meta Quest Pro, Quest 3, Apple Vision Proもそれを踏襲する形になっています。カラー画像のVideo See Through (Video Pass Through) に加えて深度センサーによる精度の高い環境認識によって、よりリアリティのあるMR表現を目指そうとする動きが市場全体からうかがえます。
一方でVive XR EliteとMeta Quest 3は視線トラッキング機構をデフォルトではサポートしておらず、ディスプレイの高解像度化にともなって必須となると言われていたFoveated Renderingですが、現状市場は二分されている状況です。比較的安価なヘッドセットではFixed Foveated Renderingで凌ぎ、比較的高価なヘッドセットではDynamic Foveated Renderingをサポートしている状況でしょうか。
こう見ると、視線トラッキングをサポートしているPS VR2は技術的にかなり頑張っているとも言えますね。またデフォルトではコントローラーをサポートしないApple Vision Proは、視線と手による入力が基本的な操作となっており、積極的に視線を使っていこうという姿勢がうかがえます。
このあたりの攻勢については、この記事(Meta Quest 3とApple Vision Pro)も読んでみてください。何をフィーチャーし何を捨てるか、価格競争もあり現状各社出方をうかがっている様相で、今後も市場動向から目が離せませんね。